「厚生保険特別会計」の版間の差分
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健康保険法(大正11年法律第70号)、厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)及び児童手当法(昭和46年怯律第73号)に基づいて、政府が管掌する健康保険事業、厚生年金保険事業及び児童手当に関する政府の経理を一般会計と区分して経理するため設置された特別会計である。 | 健康保険法(大正11年法律第70号)、厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)及び児童手当法(昭和46年怯律第73号)に基づいて、政府が管掌する健康保険事業、厚生年金保険事業及び児童手当に関する政府の経理を一般会計と区分して経理するため設置された特別会計である。 | ||
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(1)健康保険 | (1)健康保険 | ||
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健康保険には、政府を保険者とするものと、健康保険組合を保険者とするものとがあり、前者を政府管掌健康保険といい、その対象は、健康保険組合の設立されている事業所以外の主として中小企業の事業所となっている。 | 健康保険には、政府を保険者とするものと、健康保険組合を保険者とするものとがあり、前者を政府管掌健康保険といい、その対象は、健康保険組合の設立されている事業所以外の主として中小企業の事業所となっている。 | ||
政府管掌健康保険の被保険者は、適用事業所(健康保険法に規定される業種の事業を行う事業所で常時5人以上を使用する事業所等)に使用される者のほか、任意継続被保険者、健康保険法第3条第2項の規定による被保険者(日雇労働者)などである。 | 政府管掌健康保険の被保険者は、適用事業所(健康保険法に規定される業種の事業を行う事業所で常時5人以上を使用する事業所等)に使用される者のほか、任意継続被保険者、健康保険法第3条第2項の規定による被保険者(日雇労働者)などである。 | ||
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(2)厚生年金保険 | (2)厚生年金保険 | ||
政府が保険者となり民間企業の労働者を対象とする公的年金保険制度であって、加入者は、常時適用事業所に使用される者で、現在わが国の公的年金制度適用者の45.6%を占める年金制度である。保険給付には、老齢厚生年金、障害厚生年金及び障害手当金、遺族厚生年金などがある。老齢厚生年金の支給要件は、他の年金制度への加入も含め25年以上の加入期間を有し65歳以上であること。ただし、当分の間、60歳以上で厚生年金保険への加入が1年以上で他の年金制度への加入も含め25年以上の加入期間を有している場合には特別に老齢厚生年金が支給される(平成25年(2013年)から平成37年(2025年)にかけて段階的に65歳に引き上げられる。)。給付額は、定額部分と報酬比例部分を合算したものが基本年金額として算定される(平成25年度(2013年度)からは報酬比例部分のみ)が、ほかに被扶養者がいる場合には加給年金額が加算される。年金額は平成16年(2004年)年金改正法において、社会全体の保険料負担能力の伸びを年金額改定率に反映させることで給付水準を調節させるいわゆるマクロ経済スライド制が導入された。また、保険料は、標準報酬(定期収入)及び標準賞与に所定の料率を乗じて計算され、これを事業主と被保険者が折半して負担することとなっているが、平成16年(2004年)年金改正法において保険料率を平成16年(2004年)10月から毎年0.354%ずつ引き上げ、平成29年度(2017年度)以降は18.30%とすることとされた。給付費に対する国庫負担については、昭和61年(1986年)4月前は給付費の20%、同月以降は、基礎年金拠出金の3分の1と昭和36年(1961年)3月前分の給付費に相当する額の20%となっていたが、基礎年金拠出金に対する国庫負担の割合については平成21年度(2009年度)までに2分の1に引き上げることとされた。 | 政府が保険者となり民間企業の労働者を対象とする公的年金保険制度であって、加入者は、常時適用事業所に使用される者で、現在わが国の公的年金制度適用者の45.6%を占める年金制度である。保険給付には、老齢厚生年金、障害厚生年金及び障害手当金、遺族厚生年金などがある。老齢厚生年金の支給要件は、他の年金制度への加入も含め25年以上の加入期間を有し65歳以上であること。ただし、当分の間、60歳以上で厚生年金保険への加入が1年以上で他の年金制度への加入も含め25年以上の加入期間を有している場合には特別に老齢厚生年金が支給される(平成25年(2013年)から平成37年(2025年)にかけて段階的に65歳に引き上げられる。)。給付額は、定額部分と報酬比例部分を合算したものが基本年金額として算定される(平成25年度(2013年度)からは報酬比例部分のみ)が、ほかに被扶養者がいる場合には加給年金額が加算される。年金額は平成16年(2004年)年金改正法において、社会全体の保険料負担能力の伸びを年金額改定率に反映させることで給付水準を調節させるいわゆるマクロ経済スライド制が導入された。また、保険料は、標準報酬(定期収入)及び標準賞与に所定の料率を乗じて計算され、これを事業主と被保険者が折半して負担することとなっているが、平成16年(2004年)年金改正法において保険料率を平成16年(2004年)10月から毎年0.354%ずつ引き上げ、平成29年度(2017年度)以降は18.30%とすることとされた。給付費に対する国庫負担については、昭和61年(1986年)4月前は給付費の20%、同月以降は、基礎年金拠出金の3分の1と昭和36年(1961年)3月前分の給付費に相当する額の20%となっていたが、基礎年金拠出金に対する国庫負担の割合については平成21年度(2009年度)までに2分の1に引き上げることとされた。 | ||
厚生年金保険の前身は昭和17年(1942年)の労働者年金保険法であり、昭和19年(1944年)に厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)と改称されたが、第二次大戦後、戦争とインフレで壊滅状態にあった制度の再建が始まり、昭和29年(1954年)に大幅な改正を行い、さらに昭和61年(1986年)からは全年金制度に共通した基礎年金制度が創設され、従前の定額部分に相当する分が基礎年金として支給される仕組みとなった。 | 厚生年金保険の前身は昭和17年(1942年)の労働者年金保険法であり、昭和19年(1944年)に厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)と改称されたが、第二次大戦後、戦争とインフレで壊滅状態にあった制度の再建が始まり、昭和29年(1954年)に大幅な改正を行い、さらに昭和61年(1986年)からは全年金制度に共通した基礎年金制度が創設され、従前の定額部分に相当する分が基礎年金として支給される仕組みとなった。 | ||
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+ | (3)児童手当 | ||
+ | 児童手当制度は、家庭における生活の安定に寄与するとともに次代を担う児童の健全な育成と資質の向上を目的として、児童を養育している者に対して現金給付である児童手当を支給する制度で、わが国では昭和47年(1972年)から実施された。 | ||
+ | 支給対象及び手当額等については、これまで数次にわたって改正が行われており、平成17年度(2005年度)における支給対象年齢は小学校第三学年修了前まで、支給額は月額第1子・第2子5,000円、第3子以降10,000円となっている。ただし、児童養育者の前年の所得が一定額以上のときは支給されないこととなっており、平成17年度(2005年度)における所得限度額は、4人世帯(夫婦+児童2人)の場合、415.0万円(収入べースに換算すると496.3万円)(所得制限により手当を受けられない被用者及び公務員に支給される特例給付の場合、574.0万円(収入ベースに換算すると780.0万円))未満となっている。児童手当を受けようとする者は、住所地の市区町村に対して申請し、認定を受けなければならず、認定を受けた者は、市区町村より毎年2月、6月、10月にそれぞれ前月までの児童手当を支給される。財源は事業主拠出金と公費である。なお、公務員に対する児童手当の認定及び支給事務については特例が設けられており、その所属庁の長が直接給付し、その費用は、その属する国または地方公共団体が全額負担することとされている。" |